すみれ

すみれ1先日、あるマンションの花壇に、たくさんのすみれが咲いているのを見つけました。日当たりの良い場所だったせいか、一斉に花開いていましたよ。

スミレは、2月の終わり頃~4月末にかけて咲く春を告げる花の一つです。世界で約800種ほどが知られ、日本自生種はおよそ60種あります。

古代には下剤などの薬として使われたり、近世にはスープ、サラダ、砂糖菓子などの料理にも用いられてきました。薬草やハーブとしても実用的な植物なんですね。

その語源は、花が大工道具の「墨入れ」に似ているから、あるいは昔からよく「摘まれる」花だから、それが転じて「つみれ」→「すみれ」になったとも言われています。

すみれ2すみれはとてもいい香りがします。私も写真を撮ったついでに、思い切り香りを楽しんできました。梅やバラとも違う、甘い花の香りが気持ちを優しくさせてくれます。残り香はまさにバイオレットでしたが、人工的なすみれ香料とは違って、かなりほのかな香りでした。

すみれの精油は、花や葉から有機溶剤法で抽出されアブソリュートと呼ばれます。

花から得られるバイオレットフラワーアブソリュートは、第2次世界大戦以前は南フランスや北イタリアなどで盛んに生産されていましたが、生産コストが高く、また低コストの人工香料が作られるようになって、今ではほとんど市場から姿を消しています。

葉から得られるバイオレットリーフアブソリュートは、深緑色の粘稠な液体で、力強い緑の香りがします。香気成分にはスミレ葉アルデヒド、スミレ葉アルコール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、オイゲノールなどが確認されており、ウッディな香りの基調としたり、グリーンノートの主要な香料になっています。

すみれの花言葉は、「謙遜・誠実、つつしみ深さ、小さな幸せ」
香りも姿もけなげな感じがしますが、思わず手に取りたくなる素敵な花ですね。

(担当:小林)

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