香りのブログ(アロマテラピー検定)
ローズオットー
アロマテラピー検定で出題される精油の種類を紹介しています。 第30回目は「ローズオットー」でアロマテラピー検定1級に出題される20種類のうちひとつです。
【ローズオットー(Rose otto)】
学名 : Rosa damascena
おもな成分 : シトロネロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、ネオール酢酸ゲラニル、ダマスコン
科名 : バラ科
抽出部位 : 花
抽出方法 : 水蒸気蒸留法
心に対する働き :
心を明るくさせて、自分を肯定する気持ちにさせてくれます。 ストレスや緊張をやわらげ、マイナスの感情を解してくれます。
体に対する働き :
更年期障害や月経前の不快な症状や月経痛をやわらげます。 胃腸炎や胃潰瘍などの消化器系のトラブルにも有用です。 また、乾燥肌や敏感肌、老化肌に有用です。
ローズオットーは、美しく高級感に満ち溢れたエレガントな香りがし、古くから女性を魅了し続けてきた香りのひとつです。
ローズオットーの原料となるダマスクローズは、ほとんどがブルガリアとトルコで生産されていますが、 百年の栽培の歴史を持つブルガリア産のローズオットーが最高品質のものとして有名です。 ダマスクローズは、トゲのある落葉少低木で高さ2mほどに育ち、美しいお馴染みの花を5月から6月にかけて咲かせます。
1kgの精油を水蒸気蒸留で抽出するのに、約5000kgものバラの花が必要とされています。1滴を得るのに 約50~70本の花が必要という計算になり、とても高価な精油として知られています。
バラの花から水蒸気蒸留により抽出する方法は、10世紀のペルシアの医師で偉大な科学者でもあった、 イブン・シーナが錬金術の実験をしている過程で偶然発見したと考えられています。実際にはより以前から原始的な 水蒸気蒸留が行われていたようですが、イブン・シーナによって水蒸気蒸留の方法が確立され、当時のアラビア世界に 広まった後、ヨーロッパへも伝わって盛んに行われるようになったのは確かなことと言えます。 中世のヨーロッパでは、ローズオットーは、貴族の間で愛用されていました。
100%のローズオットーは気温が10度以下になる固形化します。また、この精油は劣化しにくく長期間品質が安定しています。
ローズオットーは水蒸気蒸留法でローズの花より抽出されます。一方、溶剤抽出法で得られるものをローズ・アブソリュート と呼びます。ローズオットーはほぼ無色透明ですが、ローズ・アブソリュートは美しく透き通るような赤色をしています。
<ローズオットーの精油のポイント>
・科名 → バラ科
・抽出部位 → 花
・抽出方法 → 水蒸気蒸留法
・低温で固まる性質があります
・原料になるバラはダマスクローズ
※アロマテラピー検定1級で出題される精油の種類は20種です。 これに2級で出題される10種を加え、計30種が検定の対象です。
(業務部 松村)
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ローズアブソリュート
アロマテラピー検定で出題される精油の種類を紹介しています。 第29回目は「ローズアブソリュート」でアロマテラピー検定1級に出題される20種類のうちひとつです。
【ローズアブソリュート(Roseabsolute)】
学名 : Rosa centifolia
おもな成分 : フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ローズオキサイド、ダマセノン
科名 : バラ科
抽出部位 : 花
抽出方法 : 揮発性有機溶剤抽出法
心に対する働き :
落ち込みなどのネガティブな感情を解き解したり、挫折による自信の喪失などを癒したりしてくれます。
体に対する働き :
女性ホルモンのバランスを整える作用があるとされ、生理痛や生理前のイライラ、 更年期障害、出産後の不安定な精神状態などの問題に際して優しくサポートしてくれます。
ローズ・アブソリュートは「香りの女王」と呼ばれるほど、美しく優雅さに満ち溢れた香りがします。
ローズ・アブソリュートの原料となるキャベッジローズは、モロッコとフランスが主産地です。 トゲのある落葉少低木で、淡いピンク色の美しい花を5月から6月にかけて咲かせます。 花弁の数が多く、キャベツのようにも見えることからこの名前がついています。 太陽の光があたると含まれている精油成分が気化してしまうため、原料となる花は最もオイルの含有量が高くなる 早朝に花を摘み取ります。 ローズ・アブソリュートはこの花から揮発性有機溶剤抽出法で生産されるものをいいます。 同じローズの精油である「ローズオットー」は、水蒸気蒸留法でダマスクローズより抽出されます。
たくさんの花からわずかな量しかとれないため大変高価となっており、偽和も多く出回っていますが、 本物のローズ・アブソリュートは低温になると固まります。 冷しても、固まらない場合は偽和ということになります。
※名前にある通り、溶剤抽出法で生産する精油は"アブソリュート"と呼ばれ、それ以外の方法で抽出される精油を エッセンシャルオイルとして区別されています。
<ローズアブソリュートの精油のポイント>
・科名 → バラ科
・抽出部位 → 花
・抽出方法 → 揮発性有機溶剤抽出法
・低温になると固まります
・原料になるバラはキャベッジローズ
※アロマテラピー検定1級で出題される精油の種類は20種です。 これに2級で出題される10種を加え、計30種が検定の対象です。
(業務部 松村)
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レモングラス
アロマテラピー検定で出題される精油の種類を紹介しています。 第28回目は「レモングラス」でアロマテラピー検定1級に出題される20種類のうちひとつです。
【レモングラス(Lemongrass)】
学名 : (西インド型) Cymbopogon citratus
(東インド型) Cymbopogon flexuosus
おもな成分 : (西インド型) シトラール, ミルセン, メチルヘプテノン
(東インド型) シトラール, メチルヘプテノン, ネロール, ゲラニオール
科名 : イネ科
抽出部位 : 葉
抽出方法 : 水蒸気蒸留法
心に対する働き :
心を刺激して、やる気を取り戻すのを助けてくれます。精神的な疲労をやわらげ集中力や活力を取り戻してくれます。
体に対する働き :
食べ過ぎや消化不良などの消化器系の働きを調整します。 スポーツの後などの筋肉痛や肩こり、神経痛の疲労回復に役立ちます。
レモングラスの香りは名前の通りレモンに似ていますが、レモンよりも強く鮮やかで、果物にはない癖があるのが特徴です。香りの系統は「柑橘系」に分類されますが、レモングラスはイネ科の植物で、光毒性はありません。
レモングラスはイネ科の植物で、細長く尖った葉を持ち、草丈60~150cmまで生育し、高温多湿、水はけの良い土地を好む多年草です。南インド原産で熱帯から亜熱帯にかけて多く栽培されています。主にインドやネパールで生産されるイーストインディアン・レモングラスと、西インド諸島のマダガスカル、コモロ、グァテマラで生産されているウエストインディアン・レモングラスの2種類があります。
レモングラスは、インドの伝統として数千年前からその特性が重要視されてきた植物です。現在では、多くの国で食用ハーブやハーブティーとして親しまれています。特に タイ料理のスープ「トムヤンクン」の味と香りの決め手として欠かせない素材となっています。またネコが嫌がる香りとしてもレモングラスはよく知られています。タバコ臭やペット臭などの室内の嫌な匂いを消したいときにも効果があるほか、虫よけとしても使われています。
<レモングラスの精油のポイント>
・科名 → イネ科
・抽出部位 → 葉
・虫が嫌うシトラール、シトロネラールを含むので、虫除けにも使われる。
・レモンではないので光毒性はない。
※アロマテラピー検定1級で出題される精油の種類は20種です。 これに2級で出題される10種を加え、計30種が検定の対象です。
(業務部 松村)
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メリッサ(レモンバーム)
アロマテラピー検定で出題される精油の種類を紹介しています。 第27回目は「メリッサ(レモンバーム)」でアロマテラピー検定1級に出題される20種類のうちひとつです。
【メリッサ(Melissa)】
学名 : Melissa officinalis
おもな成分 : リナロール、ゲラニオール、シトラール、シトロネラール
科名 : シソ科
抽出部位 : 花と葉
抽出方法 : 水蒸気蒸留法
心に対する働き :
精神的な混乱のときに興奮を鎮め、気分を落ち着かせる特性があります。 また、心をほぐし、明るく高揚させてくれる香りです。
体に対する働き :
抗アレルギー作用があるので、花粉症や呼吸器系のトラブルなどの症状を落ち着かせたり、 湿疹やかゆみなどをやわらげたりする働きがあります。
メリッサは、レモンに似た柑橘系とフローラル調をミックスしたようなデリケートな香りが特徴です。 レモンのようなフレッシュな香りがあるため、別名「レモンバーム」と言われています。
メリッサは、やぶ状に育つ草丈30cm~70cmのシソ科の多年生植物です。鮮やかな緑の葉を持ち、夏に白や黄の小さな花をつけます。 葉はハート型で、こするとレモンのような香りを放ちます。原産地は地中海地方ですが、現在ではヨーロッパ全域、北米、 北アフリカなどで広く見られます。
メリッサの植物自体は、ヨーロッパの至るところで見かけられるもので、決して希少なものではありませんが、 精油分の含有量が極めて少なく、1kgの精油を抽出するのに5~8トンもの開花したメリッサが必要とされるため、 100%のメリッサオイルは大変高価なものになります。
メリッサはギリシア語で「蜜蜂」を意味する言葉です。蜜蜂がメリッサの花を非常に好むことから同じ名前が付きました。 メリッサの蜂蜜はとても美味しいと評判だそうです。
<メリッサの精油のポイント>
・科名 → シソ科
・抽出方法 → 水蒸気蒸留法
・別名、レモンバームとも呼ばれています。
※アロマテラピー検定1級で出題される精油の種類は20種です。 これに2級で出題される10種を加え、計30種が検定の対象です。
(業務部 松村)
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ミルラ
アロマテラピー検定で出題される精油の種類を紹介しています。 第26回目は「ミルラ(没薬)」でアロマテラピー検定1級に出題される20種類のうちひとつです。
【ミルラ(Myrrh)】
学名 : Commiphora myrrha / Commiphora molmol / Commiphora abyssinica
おもな成分 : クミンアルデヒド、リモネン、α-ピネン、オイゲノール 科名 : カンラン科
抽出部位 : 樹脂
抽出方法 : 水蒸気蒸留法
心に対する働き :
気持ちを鼓舞し、精神の覚醒度を高めて心的エネルギーと自信を 取り戻してくれると言われています。
体に対する働き :
呼吸器系に対して作用するので咳やのどの痛みなどに役立ちます。 消化器系にも作用し消化不良、下痢などの症状にもよいと言われています。
ミルラは、麝香(ムスク)に似た甘みと苦味の両方を感じさせる独特の香りがします。
ミルラ(没薬)は樹高3m程度の低木で、先端が尖った節の多い枝が直角に突き出ています。 樹皮に切り込みを入れると淡黄色の液体が染み出し、赤茶色のクルミ大の樹脂になります。 これを水蒸気蒸留にかけて精油を抽出します。原産地は中東、ソマリア、インドで肥沃で乾燥した土地に育ちます。
ミルラ(没薬)は、古代の諸文明において様々な用途に広く使用されてきたものです。古代エジプトにおいて宗教的な儀式の場でよく用いられ、毎日正午の太陽崇拝の儀式の際にミルラを焚いていたそうです。それ以外にも、蜂蜜やコリアンダーと混ぜて軟膏が作られたり、化粧品の原料としても古くから用いられたりしました。また優れた防腐、殺菌作用があるためミイラ作りにも使用され、それがミイラの語源と言われています。新約聖書でイエス・キリストが誕生したときに、東方の三賢人が黄金、フランキンセンスとともにミルラを贈り物として 捧げたことは有名な話です。
※ミルラは、「マー」や「没薬(もつやく)」の別名もあります。
<ミルラの精油のポイント>
・科名 → カンラン科
・抽出方法 → 水蒸気蒸留法
※アロマテラピー検定1級で出題される精油の種類は20種です。 これに2級で出題される10種を加え、計30種が検定の対象です。
(業務部 松村)
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